肺Mycobacterium avium complex(MAC)症の経過中に発症した視神経脊髄炎の1例

症例は,62歳女性.43歳時に肺Mycobacterium avium complex(MAC)症と診断され加療中であったが,発熱,視力障害,下肢運動障害などをきたし入院した.MRIで視交叉病変と長大な頸髄病変があり,胸部CTで肺MAC症の増悪を認めた.視神経脊髄炎(neuromyelitis optica,以下NMOと略記)と診断し,ステロイドパルス療法と二重濾過血漿交換を行い,抗アクアポリン4抗体は,ELISA法で検出感度未満に低下した.約半年後に視力障害で再発し,頭部MRIで視神経・視交叉に再発病変を認め,エクリズマブを開始した.NMO発症に肺MAC症の関連が示唆された貴重な症例である....

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Published in臨床神経学 Vol. 61; no. 9; pp. 635 - 639
Main Authors 本郷, 祥子, 梅田, 麻衣子, 小宅, 睦郎, 荻根沢, 真也, 梅田, 能生, 藤田, 信也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2021
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001614

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Summary:症例は,62歳女性.43歳時に肺Mycobacterium avium complex(MAC)症と診断され加療中であったが,発熱,視力障害,下肢運動障害などをきたし入院した.MRIで視交叉病変と長大な頸髄病変があり,胸部CTで肺MAC症の増悪を認めた.視神経脊髄炎(neuromyelitis optica,以下NMOと略記)と診断し,ステロイドパルス療法と二重濾過血漿交換を行い,抗アクアポリン4抗体は,ELISA法で検出感度未満に低下した.約半年後に視力障害で再発し,頭部MRIで視神経・視交叉に再発病変を認め,エクリズマブを開始した.NMO発症に肺MAC症の関連が示唆された貴重な症例である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001614