食道静脈瘤結紮術後にESDを施行した早期食道癌の1例
「はじめに」食道静脈瘤を有する肝硬変患者の内視鏡的食道治療は, 出血リスクが高く, ときに難渋するケースもみられる. 今回, 食道静脈瘤を有するアルコール性肝硬変患者に発症した早期食道癌に対し, あらかじめ静脈瘤治療を行ったうえ, 安全に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行し得た1例を経験したため報告する. 「症例」患者:66歳, 女性. 主訴:特記すべきことなし. 既往歴:アルコール性肝硬変. 個人歴:喫煙なし. 飲酒は多量. 現病歴:アルコール性肝硬変(Child-Pugh A)にて外来通院中であった. 2013年4月の定期検査の上部消化管内視鏡検査にて, 胃食道静脈瘤(Lm F1 Cb...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 90; no. 1; pp. 80 - 81 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
09.06.2017
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.90.1_80 |
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Summary: | 「はじめに」食道静脈瘤を有する肝硬変患者の内視鏡的食道治療は, 出血リスクが高く, ときに難渋するケースもみられる. 今回, 食道静脈瘤を有するアルコール性肝硬変患者に発症した早期食道癌に対し, あらかじめ静脈瘤治療を行ったうえ, 安全に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行し得た1例を経験したため報告する. 「症例」患者:66歳, 女性. 主訴:特記すべきことなし. 既往歴:アルコール性肝硬変. 個人歴:喫煙なし. 飲酒は多量. 現病歴:アルコール性肝硬変(Child-Pugh A)にて外来通院中であった. 2013年4月の定期検査の上部消化管内視鏡検査にて, 胃食道静脈瘤(Lm F1 Cb RC(-) Lg(+))を認めた. 同時に, 切歯29-31cm胸部中部食道右壁に1/4周性の0-IIc病変を認めた. 同病変に対する加療目的に入院となった. 来院時身体所見:手掌紅斑および前胸部のくも状血管腫を認めるほか特記事項なし. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.90.1_80 |