急性出血性直腸潰瘍における再出血リスク因子の検討
「I. はじめに」急性出血性直腸潰瘍(Acute hemorrhagic rectal ulcer:AHRU)は, 長期臥床や基礎疾患を有する高齢者に好発する. 多くは内視鏡的処置により止血可能であるが, 致死的な経過を辿る症例もある. 直腸潰瘍の患者背景を検討した報告はあるが, 再出血例と非再出血例を比較した報告は少ない. 今回は, AHRUの患者背景と再出血のリスク因子について後方視的に検討したので報告する. 「II. 対象および方法」2009年1月から2020年4月までの期間に当院で急性下部消化管出血に対して内視鏡を施行した1093例中, AHRUと診断した79例を対象とした. 対象の臨...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 99; no. 1; pp. 73 - 75 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
03.12.2021
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.99.1_73 |
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Summary: | 「I. はじめに」急性出血性直腸潰瘍(Acute hemorrhagic rectal ulcer:AHRU)は, 長期臥床や基礎疾患を有する高齢者に好発する. 多くは内視鏡的処置により止血可能であるが, 致死的な経過を辿る症例もある. 直腸潰瘍の患者背景を検討した報告はあるが, 再出血例と非再出血例を比較した報告は少ない. 今回は, AHRUの患者背景と再出血のリスク因子について後方視的に検討したので報告する. 「II. 対象および方法」2009年1月から2020年4月までの期間に当院で急性下部消化管出血に対して内視鏡を施行した1093例中, AHRUと診断した79例を対象とした. 対象の臨床的特徴を患者背景や潰瘍の出血状態(Forrest分類), 輸血の有無や血液検査所見(Hb, Alb)で検討した. それらを再出血群と非再出血群に分けて各因子を単変量回帰分析し有意差を認めたリスク因子においては, 多変量回帰分析を行った. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.99.1_73 |