胃幽門輪に刺入した部分有鉤義歯の1例
「和文要旨」症例は46歳男性. 餅を食べた際に義歯を誤飲したが, 近医にて経過観察された. 2日後嘔気を認め, 上部消化管内視鏡検査施行し, 胃幽門輪にクラスプが刺入した義歯を認めた. 異物鉗子にてクラスプを把持し, 刺入方向と反対周りの水平方向に回転する事で義歯を胃内に摘出できた. その後EEMRチューブを用いて食道損傷なく回収した. 胃幽門輪に刺入した有鉤義歯の内視鏡的摘出には, 水平方向に回転することが有用と思われた. 「はじめに」上部消化管異物は日常診療において稀な疾患ではなく, 内視鏡的に摘出される頻度が増加している. 部分有鉤義歯は蟹爪状の鋭いクラスプを有するため上部消化管に刺入し...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 74; no. 2; pp. 66 - 67 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2009
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.74.2_66 |
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Summary: | 「和文要旨」症例は46歳男性. 餅を食べた際に義歯を誤飲したが, 近医にて経過観察された. 2日後嘔気を認め, 上部消化管内視鏡検査施行し, 胃幽門輪にクラスプが刺入した義歯を認めた. 異物鉗子にてクラスプを把持し, 刺入方向と反対周りの水平方向に回転する事で義歯を胃内に摘出できた. その後EEMRチューブを用いて食道損傷なく回収した. 胃幽門輪に刺入した有鉤義歯の内視鏡的摘出には, 水平方向に回転することが有用と思われた. 「はじめに」上部消化管異物は日常診療において稀な疾患ではなく, 内視鏡的に摘出される頻度が増加している. 部分有鉤義歯は蟹爪状の鋭いクラスプを有するため上部消化管に刺入し易いとされる. 今回我々は, 部分有鉤義歯を誤飲し胃幽門輪に刺入した義歯を内視鏡的に摘出した1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:46歳, 男性. 主訴:嘔気. 現病歴:平成17年11月5日餅を食べた際に義歯を誤飲し, 某大学病院を受診した. 上部消化管内視鏡検査施行され, 食道内に義歯を認めないため, 経過観察となった. 11月7日嘔気を認め近医を受診し, 腹部レントゲン写真にて義歯が確認された. 義歯摘出目的に当院外科に紹介となった. 入院時現症:腹部に圧痛, 反跳痛なし. 血液生化学検査:特記すべき所見なし. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.74.2_66 |