過形成ポリープが除菌後に癌化した一例
「始めに」胃過形成ポリープは, 胃良性上皮性腫瘍の中で最も頻度が高い疾患で, 癌化は非常に稀であると考えられてきた. 近年では癌化の頻度は2.1~4.8%と報告されている. 今回, 胃過形成ポリープの除菌後, 癌化と診断された. 1切除例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」患者: 76歳, 男性. 主訴: 胃ポリープの経過観察. 家族歴: 特記すべき事項なし. 既往歴: 膀胱がん術後にて当院泌尿器外来通院中 現病歴: 一般検査成績: 異常なし 201X年10月: 上部消化管内視鏡で穹窿部に15mm弱の山田III型ポリープを認め, 全体的に無茎性で褐色調, 表面粘膜模様が消失,...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 97; no. 1; pp. 84 - 86 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
18.12.2020
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.97.1_84 |
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Summary: | 「始めに」胃過形成ポリープは, 胃良性上皮性腫瘍の中で最も頻度が高い疾患で, 癌化は非常に稀であると考えられてきた. 近年では癌化の頻度は2.1~4.8%と報告されている. 今回, 胃過形成ポリープの除菌後, 癌化と診断された. 1切除例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」患者: 76歳, 男性. 主訴: 胃ポリープの経過観察. 家族歴: 特記すべき事項なし. 既往歴: 膀胱がん術後にて当院泌尿器外来通院中 現病歴: 一般検査成績: 異常なし 201X年10月: 上部消化管内視鏡で穹窿部に15mm弱の山田III型ポリープを認め, 全体的に無茎性で褐色調, 表面粘膜模様が消失, 背景粘膜の発赤, 浮腫と粘稠な粘液付着を認める. 生検ではhyperplastic polyp Group1と診断された. 尿素呼気テストはΔ13C = 87.0‰(陽性参考値2.5‰以上)と高値を示した. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.97.1_84 |