統合失調症入院患者の動脈硬化リスク因子に対する臨床栄養学的研究
「I. 緒言」最近, 先進国欧米の臨床栄養学の問題は過栄養による肥満と, 同時に, 低栄養である. 低栄養は飢餓による蛋白質・エネルギー栄養障害でなく食事の偏り(偏食)によるビタミン・ミネラル等の潜在性微量栄養素欠乏状態からくる不定愁訴が問題である. それを受けて, 欧米では, 微量栄養素欠乏状態を国家的な問題と考え対策を支援をしている. わが国は, 1970年代に先進国の仲間入りをし, 肥満が社会的問題となり, 1970年代後半には若者を中心に偏食が問題視され, 1982年に細谷は国民の健康障害(半健康, 半病人)は潜在性栄養素欠乏症(marginal nutritional deficie...
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          | Published in | New Diet Therapy Vol. 39; no. 3; pp. 3 - 17 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本臨床栄養協会
    
        2023
     日本臨床栄養協会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0910-7258 2434-7159  | 
| DOI | 10.32270/jcna.39.3_3 | 
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| Summary: | 「I. 緒言」最近, 先進国欧米の臨床栄養学の問題は過栄養による肥満と, 同時に, 低栄養である. 低栄養は飢餓による蛋白質・エネルギー栄養障害でなく食事の偏り(偏食)によるビタミン・ミネラル等の潜在性微量栄養素欠乏状態からくる不定愁訴が問題である. それを受けて, 欧米では, 微量栄養素欠乏状態を国家的な問題と考え対策を支援をしている. わが国は, 1970年代に先進国の仲間入りをし, 肥満が社会的問題となり, 1970年代後半には若者を中心に偏食が問題視され, 1982年に細谷は国民の健康障害(半健康, 半病人)は潜在性栄養素欠乏症(marginal nutritional deficiency)であることを第3回日本臨床栄養学会学術集会で提唱した. しかし, 国民への普及に至らず国家的な支援がないのが現状である. 精神科領域でも, 2020年に功刀は精神疾患と栄養学の関係について, 21世紀になり精神疾患にも食事や栄養学的問題がもちあがって, 現代の食生活の問題点であるエネルギー過剰摂取, さらに, 食事の欧米化・製品化による微量栄養素や食物繊維の不足がうつ病や統合失調症, 認知症といった精神疾患の発症や治療経過に大きく影響することが知られるようになった. | 
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| ISSN: | 0910-7258 2434-7159  | 
| DOI: | 10.32270/jcna.39.3_3 |