iPhone本体のみで実施可能な新しい血圧推定法の精度検証
カフレスでの血圧測定は脈波伝播時間方式が主流になっている.しかし,計測機材が大きいため気軽に計測できない,また頻繁なキャリブレーションが必要などの不便な点も多い.そこで我々は,精神生理学的アプローチを用い,スマートフォン(iPhone)本体のみを用いて測定できる2つの生理指標,心拍数とαアドレナリン作動性交感神経活動を反映する修正基準化脈波容積,のみを用いて血圧を推定できる新たな方法,すなわち,iPhone血圧推定法を提唱した.本研究では,このiPhone血圧推定法の精度検証を行うことを目的とする.被験者は13名(女性:6,男性:7,平均年齢20.6歳),左手にiPhone,右上腕に血圧用のカ...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Proc; p. 13 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual56.13 |
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Summary: | カフレスでの血圧測定は脈波伝播時間方式が主流になっている.しかし,計測機材が大きいため気軽に計測できない,また頻繁なキャリブレーションが必要などの不便な点も多い.そこで我々は,精神生理学的アプローチを用い,スマートフォン(iPhone)本体のみを用いて測定できる2つの生理指標,心拍数とαアドレナリン作動性交感神経活動を反映する修正基準化脈波容積,のみを用いて血圧を推定できる新たな方法,すなわち,iPhone血圧推定法を提唱した.本研究では,このiPhone血圧推定法の精度検証を行うことを目的とする.被験者は13名(女性:6,男性:7,平均年齢20.6歳),左手にiPhone,右上腕に血圧用のカフを取り付けた状態で,安静中3分間および暗算課題実施中3分間に同時測定を行った.カフ振動法による上腕血圧の測定は90秒毎に計4回実施した.分析の結果,iPhone血圧推定法とカフ振動法との相関は,平均血圧でr= .73,最高血圧でr= .73,最低血圧でr= .72,であった.これらの結果は,iPhoneのみの使用に関わらず,脈波伝播時間方式と遜色ない精度で血圧を推定できることを示唆している.今後は,暗算課題以外の課題遂行中や,日常生活中の計測など,別の状況で精度検証する必要があると考えられた. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual56.13 |