重度のカンジダ性食道炎を繰り返した食道アカラシアの1例
「はじめに」 食道アカラシアによる食物の停滞が繰り返す重度のカンジダ性食道炎の原因と考えられ, バルーン拡張術を施行したところ, 再発なく経過している症例を経験した. 食道アカラシア症とカンジダ性食道炎の関連および両者の診療に際して示唆に富む症例と考え報告する. 「症例」 患者:72歳, 男性. 主訴:発熱, 嚥下障害, 食欲不振, 体重減少. 現病歴:3年前に食欲不振, 発熱, 多発関節痛, 体重減少(56kg→48kg)とCRP27.1mg/dlと高度の上昇を認め, 当院リウマチ膠原病科および当科にて精査の結果, 肺炎などの感染症は否定的であり, 膠原病関連疾患も診断基準を満たさなかった....
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 90 - 91 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.82.1_90 |
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| Summary: | 「はじめに」 食道アカラシアによる食物の停滞が繰り返す重度のカンジダ性食道炎の原因と考えられ, バルーン拡張術を施行したところ, 再発なく経過している症例を経験した. 食道アカラシア症とカンジダ性食道炎の関連および両者の診療に際して示唆に富む症例と考え報告する. 「症例」 患者:72歳, 男性. 主訴:発熱, 嚥下障害, 食欲不振, 体重減少. 現病歴:3年前に食欲不振, 発熱, 多発関節痛, 体重減少(56kg→48kg)とCRP27.1mg/dlと高度の上昇を認め, 当院リウマチ膠原病科および当科にて精査の結果, 肺炎などの感染症は否定的であり, 膠原病関連疾患も診断基準を満たさなかった. 重度のカンジダ性食道炎を合併した食道アカラシアと診断され, 抗真菌薬の投与で解熱し, CRPは陰性化し, カンジダ性食道炎は改善した. 拡張術を予定したが, 自覚症状の消失を認め増悪時に拡張術を施行することとなり一時退院となった. 今回, 再度同様の症状が出現し来院. 上部消化管内視鏡検査にてカンジダ性食道炎の再発を認め, 抗真菌薬の経口投与するも発熱は持続し, CRP19.28mg/dlと低下なく入院した. |
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI: | 10.11641/pde.82.1_90 |