多彩な内視鏡所見を呈した特発性肉芽腫性胃炎の1例
「はじめに」多彩な内視鏡所見を呈した稀な特発性肉芽腫性胃炎を経験した. 本症は全身性肉芽腫性疾患が除外され, 組織学的肉芽腫が確認された胃炎を指すが1~3), いまだ疾患概念や治療法が確立されておらず貴重な症例と考えられた. 「症例」患者:62歳, 女性. 現病歴:特に誘因なく断続的な心窩部痛が1カ月続くため2009年10月当院に来院した. 既往歴・家族歴:特記事項なし. 身体所見:胸腹部に特記所見なし. 眼底に異常みとめず, 表在リンパ節触知せず. 検査成績および経過:来院時の上部消化管内視鏡では胃粘膜の萎縮とともに胃穹隆部などに径5mm前後の黄色調の小結節病変の点在がみられ(Color1)...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 74 - 75 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.77.2_74 |
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Summary: | 「はじめに」多彩な内視鏡所見を呈した稀な特発性肉芽腫性胃炎を経験した. 本症は全身性肉芽腫性疾患が除外され, 組織学的肉芽腫が確認された胃炎を指すが1~3), いまだ疾患概念や治療法が確立されておらず貴重な症例と考えられた. 「症例」患者:62歳, 女性. 現病歴:特に誘因なく断続的な心窩部痛が1カ月続くため2009年10月当院に来院した. 既往歴・家族歴:特記事項なし. 身体所見:胸腹部に特記所見なし. 眼底に異常みとめず, 表在リンパ節触知せず. 検査成績および経過:来院時の上部消化管内視鏡では胃粘膜の萎縮とともに胃穹隆部などに径5mm前後の黄色調の小結節病変の点在がみられ(Color1), 同部位の生検組織で粘膜内の強い炎症細胞浸潤とともに類上皮細胞の集籏, 少数の多核巨細胞からなる非乾酪性肉芽腫がみとめられた(Fig.1). 腹部症状に対しプロトンポンプ阻害薬(PPI, lansoprazole)内服にて経過観察とした. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.77.2_74 |