胃全摘後空腸静脈瘤破裂の1例

「和文要旨」症例は66歳, 男性. 胃癌にて胃全摘13年後に吐血のため来院. ショック状態となりICU管理を必要とした. 上部消化管内視鏡検査にて食道空腸吻合部肛門側の静脈瘤から出血を認め, 最終的にシアノアクリレートを静脈瘤内に注入し止血を得た. 稀な胃全摘後の静脈瘤破裂例で, また止血に難渋した症例であり, 病態及び治療について考察を加え報告する. 「はじめに」上部消化管出血のうち, 静脈瘤の破裂は原疾患に肝硬変を持つ症例を中心にしばしば遭遇する疾患である. しかし胃全摘後の静脈瘤破裂はその血行動態より稀であるとされる. 今回我々はシアノアクリレート(アロンアルファA「三共」 , 以下CA...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 70; no. 2; pp. 76 - 77
Main Authors 窪田, 賢輔, 東川, なつき, 秋山, 智之, 斎藤, 聡, 阿部, 泰伸, 上野, 規男, 稲森, 正彦, 飯田, 洋, 馬渡, 弘典, 米田, 正人, 中島, 淳, 桐越, 博之, 高橋, 宏和, 杉山, 美紀子, 秋本, 恵子, 藤田, 浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2007
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.70.2_76

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Summary:「和文要旨」症例は66歳, 男性. 胃癌にて胃全摘13年後に吐血のため来院. ショック状態となりICU管理を必要とした. 上部消化管内視鏡検査にて食道空腸吻合部肛門側の静脈瘤から出血を認め, 最終的にシアノアクリレートを静脈瘤内に注入し止血を得た. 稀な胃全摘後の静脈瘤破裂例で, また止血に難渋した症例であり, 病態及び治療について考察を加え報告する. 「はじめに」上部消化管出血のうち, 静脈瘤の破裂は原疾患に肝硬変を持つ症例を中心にしばしば遭遇する疾患である. しかし胃全摘後の静脈瘤破裂はその血行動態より稀であるとされる. 今回我々はシアノアクリレート(アロンアルファA「三共」 , 以下CA)により止血された胃全摘後空腸静脈瘤の1例を経験したため報告する. 「症例」患者:66歳, 男性. 主訴:吐下血. 既往歴:44歳, 糖尿病, 高血圧症. 53歳, 胃癌にて胃全摘術, ビルロートII法にて再建. 58歳, C型慢性肝炎を指摘(原因不明:刺青, 薬物使用, 輸血, 同胞の肝疾患なし).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.70.2_76