十二指腸内に脱出した胃体部早期癌の1例
「はじめに」胃腫瘤の十二指腸脱出は稀な病態であり, また腫瘤の局在は胃前庭部や幽門輪上に多い. 今回, 十二指腸への脱出と還納を内視鏡的に観察し得た胃体部早期胃癌の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:81歳, 女性. 主訴:嘔吐, めまい. 家族歴:特記すべきことなし. 既往歴:高血圧, 白内障. 現病歴:平成15年5月31日, 嘔吐とめまいにて近医受診し, 6月7日当院紹介受診した. 上部消化管内視鏡にて胃体部後壁大彎に隆起性病変を認め, 生検にてgroup IV. 精査加療目的で入院となった. 入院時現症:身長139cm, 体重47.3kg. 腹部は平坦...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 64; no. 2; pp. 72 - 73 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2004
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.64.2_72 |
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Summary: | 「はじめに」胃腫瘤の十二指腸脱出は稀な病態であり, また腫瘤の局在は胃前庭部や幽門輪上に多い. 今回, 十二指腸への脱出と還納を内視鏡的に観察し得た胃体部早期胃癌の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:81歳, 女性. 主訴:嘔吐, めまい. 家族歴:特記すべきことなし. 既往歴:高血圧, 白内障. 現病歴:平成15年5月31日, 嘔吐とめまいにて近医受診し, 6月7日当院紹介受診した. 上部消化管内視鏡にて胃体部後壁大彎に隆起性病変を認め, 生検にてgroup IV. 精査加療目的で入院となった. 入院時現症:身長139cm, 体重47.3kg. 腹部は平坦・軟で, 腫瘤は触知しなかった. 入院時検査所見(Table 1):異常所見を認めなかった. 入院後経過:7月5日, 上部消化管内視鏡検査を施行した. 内視鏡を胃内に挿入すると腫瘍は十二指腸内へ脱出・嵌頓していた. 内視鏡を十二指腸内より胃内へ引き戻すと腫瘍は還納され, 胃体中部後壁に径7cmの0 Is+IIa病変を認めた(Color 1). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.64.2_72 |