臓器提供におけるドナー評価・管理についてメディカルコンサルタントへの調査

「I. 背景」本邦では欧米から大きく遅れて脳死下臓器提供が始まったため経験不足であったこともあり, 脳死下臓器提供のできる5類型施設に対し臓器提供時の支援が求められた. 本邦の脳死下臓器提供者候補に対する評価の流れは, 日本臓器移植ネットワーク (JOTNW) のドナー移植コーディネーターによる1次評価, 事前にJOTNWに登録した移植医であるメディカルコンサルタント (MC) が1回目の脳死判定後のタイミングに行う2次評価, 摘出手術を行う移植医がレシピエント選定後のタイミングに行う3次評価の流れになっている. 臓器提供手術中に最終的な評価が行われる. MCによる2次評価システムは日本独自の...

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Published in移植 Vol. 55; no. 1; pp. 21 - 31
Main Authors 江川, 裕人, 嶋津, 岳士, 小野, 稔, 市丸, 直嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
日本移植学会
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.1_21

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Summary:「I. 背景」本邦では欧米から大きく遅れて脳死下臓器提供が始まったため経験不足であったこともあり, 脳死下臓器提供のできる5類型施設に対し臓器提供時の支援が求められた. 本邦の脳死下臓器提供者候補に対する評価の流れは, 日本臓器移植ネットワーク (JOTNW) のドナー移植コーディネーターによる1次評価, 事前にJOTNWに登録した移植医であるメディカルコンサルタント (MC) が1回目の脳死判定後のタイミングに行う2次評価, 摘出手術を行う移植医がレシピエント選定後のタイミングに行う3次評価の流れになっている. 臓器提供手術中に最終的な評価が行われる. MCによる2次評価システムは日本独自の仕組みであり, 脳死判定後に移植に従事する医師であるMCが提供者の評価および管理に介入する仕組みである. まず胸部臓器担当MCが5類型施設で評価管理にあたり, 腹部臓器担当MCは必要時に介入する.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.1_21