胃穹窿部大彎に発生したDieulafoy潰瘍出血の1例

「はじめに」吐血症例では, 出血源の検索および止血術を速やかに行なうべく, 緊急上部消化管内視鏡検査が第一選択となることが多い. しかし, 緊急内視鏡時に多量の凝血塊が存在すると粘膜の観察が十分に行えず, 出血源の同定が困難となる場合がある. 今回我々は, 胃の穹窿部大彎に発生し, 凝血塊に隠れていたDieulafoy潰瘍の一例を経験したので報告する. 「症例」患者:78歳, 女性. 主訴:吐血, 意識障害. 既往歴:高血圧, 高脂血症, 変形性膝関節症, 腰痛(NSAIDs内服及び湿布使用). 家族歴:特記すべき事項なし. 現病歴:平成21年11月7日, 自宅の椅子で, 座位のまま口から流血...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 78; no. 2; pp. 90 - 91
Main Authors 飯塚, 勇, 佐藤, 慎, 石川, 文彦, 山田, 拓郎, 草野, 元康, 諏訪, 敏一, 新田, 宙, 山下, 純男, 川辺, 晃一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2011
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.78.2_90

Cover

More Information
Summary:「はじめに」吐血症例では, 出血源の検索および止血術を速やかに行なうべく, 緊急上部消化管内視鏡検査が第一選択となることが多い. しかし, 緊急内視鏡時に多量の凝血塊が存在すると粘膜の観察が十分に行えず, 出血源の同定が困難となる場合がある. 今回我々は, 胃の穹窿部大彎に発生し, 凝血塊に隠れていたDieulafoy潰瘍の一例を経験したので報告する. 「症例」患者:78歳, 女性. 主訴:吐血, 意識障害. 既往歴:高血圧, 高脂血症, 変形性膝関節症, 腰痛(NSAIDs内服及び湿布使用). 家族歴:特記すべき事項なし. 現病歴:平成21年11月7日, 自宅の椅子で, 座位のまま口から流血し意識を消失しているのを家人が発見, 救急要請し当院救急外来搬送となった. 初診時現症:身長155cm, 体重55kg, 血圧103/94mmHg, 脈拍92/min. 軽度の意識混濁状態. 全身の皮膚蒼白.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.78.2_90