Functional MRIを用いたカニクイザル疼痛誘発モデルにおける痛みの可視化

「はじめに」近年, 画像診断装置の技術進歩にともない, MRI装置を用いて非侵襲的かつ造影剤などを必要とせずに, functional MRI (fMRI) や局所脳血流イメージングなどが容易に実施できるようになり, 疼痛患者の脳機能評価について様々な知見が報告されている. fMRIは痛みに対する脳神経活動に伴う脳血流変化を客観的に評価できるため, 痛みのバイオマーカーとして期待されている. 我々と共同研究を行っている浜松ファーマリサーチは, ヒトと生体力学性および脳領域の役割が近いカニクイザルを用いた疼痛モデルの開発を行っており, そのモデルの一つとして椎間板障害による腰痛が脳のどの領域を賦...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 35; no. 1; pp. 45 - 51
Main Authors 小川, 真弥, 阿波賀, 祐治, 夏目, 貴弘, 髙松, 宏幸, Aldric, Hama, 後迫, 宏紀, 長谷川, 智彦, 松山, 幸弘, 大和, 雄, 吉田, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 31.03.2020
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ISSN0915-8588
2187-4697
DOI10.11154/pain.35.45

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Summary:「はじめに」近年, 画像診断装置の技術進歩にともない, MRI装置を用いて非侵襲的かつ造影剤などを必要とせずに, functional MRI (fMRI) や局所脳血流イメージングなどが容易に実施できるようになり, 疼痛患者の脳機能評価について様々な知見が報告されている. fMRIは痛みに対する脳神経活動に伴う脳血流変化を客観的に評価できるため, 痛みのバイオマーカーとして期待されている. 我々と共同研究を行っている浜松ファーマリサーチは, ヒトと生体力学性および脳領域の役割が近いカニクイザルを用いた疼痛モデルの開発を行っており, そのモデルの一つとして椎間板障害による腰痛が脳のどの領域を賦活するかfMRIを用いて評価した. 過去に腰痛以外にもカニクイザルを用いた変形性膝関節モデル, オキサリプラチン誘発末梢神経障害モデル, 術後痛モデル, 子宮内膜症モデルなど様々な痛みを有する病態モデルを開発し, その痛みを行動評価およびfMRIにて評価し報告した.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.35.45