中枢性脳卒中後疼痛の病変部位の検討

「はじめに」中枢性脳卒中後疼痛(central post-stroke pain;CPSP)は, 脳血管障害(脳卒中)に伴う体性感覚神経系の障害によって生じる中枢性神経障害性疼痛であり, 脳卒中患者の3~12%に生じるとされている. 診断においては, 体性感覚系に関わる領域の脳卒中の画像所見と, 脳卒中病変に対応した領域に感覚障害があり, その部位に痛みが生じているという神経所見の2点が重要である. 脳卒中発症直後に痛みが生じるのはまれで, 数カ月後など遅発性に痛みが生じるのが特徴であり, 脳卒中による直接的な脳局所の破壊だけでなく, その後に生じてくる不適切な機能再構築, maladapta...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 36; no. 2; pp. 81 - 87
Main Authors 董, 冬, 柴田, 政彦, 細見, 晃一, 押野, 悟, 林, 燦碩, 森, 信彦, 齋藤, 洋一, 貴島, 晴彦, 渡邉, 嘉之, 服部, 憲明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 30.07.2021
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ISSN0915-8588
2187-4697
DOI10.11154/pain.36.81

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Summary:「はじめに」中枢性脳卒中後疼痛(central post-stroke pain;CPSP)は, 脳血管障害(脳卒中)に伴う体性感覚神経系の障害によって生じる中枢性神経障害性疼痛であり, 脳卒中患者の3~12%に生じるとされている. 診断においては, 体性感覚系に関わる領域の脳卒中の画像所見と, 脳卒中病変に対応した領域に感覚障害があり, その部位に痛みが生じているという神経所見の2点が重要である. 脳卒中発症直後に痛みが生じるのはまれで, 数カ月後など遅発性に痛みが生じるのが特徴であり, 脳卒中による直接的な脳局所の破壊だけでなく, その後に生じてくる不適切な機能再構築, maladaptationによって痛みが出現し, 身体的かつ心理社会的な二次的な要因で痛みが遷延したり増悪したりすると考えられている.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.36.81