カプセル内視鏡が契機となった小腸悪性リンパ腫の1例
「和文要旨」症例は72歳, 男性. 下血を繰り返すために上部・下部消化管内視鏡を施行するも明らかな出血源を認めず, 当院に紹介となった. カプセル内視鏡が行われ, 回腸に潰瘍性病変が疑われた. 経肛門的にシングルバルーン小腸内視鏡検査を施行し, 回腸に約4cm程度の半周を超える潰瘍性病変を認め, 同部位の生検より悪性リンパ腫(follicular lymphoma)と診断. 外科的治療を並びに化学療法が行われた. 「はじめに」近年, カプセル内視鏡(capsule endoscopy:CE)とダブルバルーンおよびシングルバルーン小腸内視鏡(double/single balloon enter...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 74; no. 2; pp. 76 - 77 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2009
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.74.2_76 |
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Summary: | 「和文要旨」症例は72歳, 男性. 下血を繰り返すために上部・下部消化管内視鏡を施行するも明らかな出血源を認めず, 当院に紹介となった. カプセル内視鏡が行われ, 回腸に潰瘍性病変が疑われた. 経肛門的にシングルバルーン小腸内視鏡検査を施行し, 回腸に約4cm程度の半周を超える潰瘍性病変を認め, 同部位の生検より悪性リンパ腫(follicular lymphoma)と診断. 外科的治療を並びに化学療法が行われた. 「はじめに」近年, カプセル内視鏡(capsule endoscopy:CE)とダブルバルーンおよびシングルバルーン小腸内視鏡(double/single balloon enteroscopy:DBE/SBE)の登場により全小腸の内視鏡観察が可能となり, 小腸病変の診断は飛躍的な進歩を遂げた. 今回我々は, CEが発見の契機となり, SBEで診断に至った小腸悪性リンパ腫の1例を経験したので文献学的考察を含めて報告する. 「症例」患者:72歳, 男性. 主訴:下血. 既往歴:60歳高血圧, 糖尿病. 71歳時に心筋梗塞に対して冠動脈バイパス術(CABG)を施行. 家族歴:特記事項無し. 現病歴:2006年頃より繰り返す下血があり近医を受診. 上部・下部消化管内視鏡を施行するも明らかな出血源を認めず, 以後症状もないため経過観察されていた. 2008年4月に再び下血があり, 貧血を伴っていた. 再び, 上部・下部消化管内視鏡を施行するも明らかな出血源を認めず, 精査・加療目的にて当院に紹介となった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.74.2_76 |