中枢性脳卒中後疼痛の神経画像研究と非侵襲脳刺激療法

「はじめに」 中枢性脳卒中後疼痛(central poststroke pain; CPSP)は, 脳血管障害に伴う体性感覚神経系の病変(脳卒中)によって生じる中枢性神経障害性疼痛である. 薬物治療の中で無作為化比較試験(randomized controlled trial; RCT)によって有効性が示された内服薬は, アミトリプチリンとラモトリジンだけであり, 薬物治療の効果も限定的であり, 多くの症例で痛みのコントロールに難渋する. このような難治性のCPSPに対して, 脳深部刺激療法, 運動野刺激療法, 脊髄刺激療法などの神経刺激療法が行われてきた. これらの治療は神経機能を調整するこ...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 33; no. 4; pp. 282 - 293
Main Authors 柴田, 政彦, 齋藤, 洋一, 清水, 豪士, 貴島, 晴彦, 渡邉, 嘉之, 細見, 晃一, 森, 信彦, 眞野, 智生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 28.12.2018
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ISSN0915-8588
2187-4697
DOI10.11154/pain.33.282

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Summary:「はじめに」 中枢性脳卒中後疼痛(central poststroke pain; CPSP)は, 脳血管障害に伴う体性感覚神経系の病変(脳卒中)によって生じる中枢性神経障害性疼痛である. 薬物治療の中で無作為化比較試験(randomized controlled trial; RCT)によって有効性が示された内服薬は, アミトリプチリンとラモトリジンだけであり, 薬物治療の効果も限定的であり, 多くの症例で痛みのコントロールに難渋する. このような難治性のCPSPに対して, 脳深部刺激療法, 運動野刺激療法, 脊髄刺激療法などの神経刺激療法が行われてきた. これらの治療は神経機能を調整することで神経疾患を治療するという意味合いで, ニューロモデュレーション療法とも言われる. 多くが刺激装置を体内に植え込むデバイス治療であるが, 運動野刺激に関しては, 頭皮上から非侵襲的に脳を刺激できる反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation; rTMS)が非侵襲脳刺激法として行われている.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.33.282