溺水後の多発胃裂創による上部消化管出血に対して内視鏡的クリップ縫縮術を施行した1例
「はじめに」 胃裂創およびMallory-Weiss症候群は飲酒後の嘔吐時や, 内視鏡検査・処置の合併症として主に報告されているが, 多発の胃裂創を生じた症例は稀である. 今回我々は, 溺水後の吐血にて来院し, 多発する胃裂創を認めた1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:79歳, 男性. 主訴:意識障害, 吐血. 既往歴:狭心症, 心房細動. 内服薬:ニコランジル15mg/日, ワルファリンカリウム2mg/日(アスピリン, NSAIDsの服用はなし). 現病歴:2011年6月末, 入浴中に溺水し, 意識低下状態であることを家族が発見した. 救急車にて搬送中に意識状態が改善するとともに大...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 81; no. 2; pp. 88 - 89 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
07.12.2012
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.81.2_88 |
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Summary: | 「はじめに」 胃裂創およびMallory-Weiss症候群は飲酒後の嘔吐時や, 内視鏡検査・処置の合併症として主に報告されているが, 多発の胃裂創を生じた症例は稀である. 今回我々は, 溺水後の吐血にて来院し, 多発する胃裂創を認めた1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:79歳, 男性. 主訴:意識障害, 吐血. 既往歴:狭心症, 心房細動. 内服薬:ニコランジル15mg/日, ワルファリンカリウム2mg/日(アスピリン, NSAIDsの服用はなし). 現病歴:2011年6月末, 入浴中に溺水し, 意識低下状態であることを家族が発見した. 救急車にて搬送中に意識状態が改善するとともに大量吐血を来し, 当院救急外来受診となった. 胃洗浄にて新鮮血を認め, 入院の上, 緊急内視鏡検査を施行した. 入院時現症:意識レベルE4V5M6, 血圧115/64mmHg, 脈拍140/分不整, 腹部に圧痛などの特記所見なし. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.81.2_88 |