食道癌術後6年後に加療した胃管癌の1例
症例は50歳代, 男性. 食道のいわゆる癌肉腫に対して右開胸開腹胸部食道全摘, 胸壁前経路胃管再建術を施行した. 術後1年毎に検査を行なっていた. 術後6年に施行した内視鏡で胃(管)癌と診断した. 境界明瞭な粘膜下層癌のため胃管部分切除術を行なった. 病理診断は低分化型腺癌 pT1(SM2)N0M0であった. 食道癌術後も長期生存例が得られるようになり, 異時性重複癌の検索も重要と考えられた. はじめに 食道癌の手術成績が向上するに伴って長期生存例が増加している. そのため, 異時性重複癌の検索が欠かせなくなってきている. 本邦では胃癌が多いこともあり食道切除後の再建に用いた胃管に発生する胃癌...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 71; no. 2; pp. 56 - 57 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2007
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.71.2_56 |
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Summary: | 症例は50歳代, 男性. 食道のいわゆる癌肉腫に対して右開胸開腹胸部食道全摘, 胸壁前経路胃管再建術を施行した. 術後1年毎に検査を行なっていた. 術後6年に施行した内視鏡で胃(管)癌と診断した. 境界明瞭な粘膜下層癌のため胃管部分切除術を行なった. 病理診断は低分化型腺癌 pT1(SM2)N0M0であった. 食道癌術後も長期生存例が得られるようになり, 異時性重複癌の検索も重要と考えられた. はじめに 食道癌の手術成績が向上するに伴って長期生存例が増加している. そのため, 異時性重複癌の検索が欠かせなくなってきている. 本邦では胃癌が多いこともあり食道切除後の再建に用いた胃管に発生する胃癌を経験することも稀ではなくなってきている. 今回内視鏡で経過観察していて, 胃管癌を発見加療した症例につき報告する. また本論文での臨床および病理診断は食道癌取扱い規約第9版と胃癌取扱い規約第13版に基づいて記載した. 症例 患者:50歳代, 男性. 主訴:特記すべきことなし. 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.71.2_56 |