内視鏡的に採石し得た十二指腸下行部胆石イレウス胆石の1例
「和文要旨」74歳女性, 急性胆嚢炎・胆管炎が軽快した1週間後に悪心・心窩部痛が出現し来院した. CT・上部消化管造影で十二指腸下行脚に嵌頓した結石を認め, Bouveret症候群(十二指腸胆石嵌頓)と診断した. 内視鏡下にバルーンカテーテル切石術と機械的結石砕石術を用い, 採石した. Bouveret症候群は外科治療されることが多いが, 内視鏡下に治療しえた意義は大きいと考える. 「はじめに」胆石イレウスは胆道消化管瘻を通過した胆道結石が腸管に嵌頓して生じる. その中で結石が幽門部や十二指腸に嵌頓して胃通過障害を来たす病態をBouveret症候群(以下, B-syn)という. B-synは外...
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 72; no. 2; pp. 78 - 79 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2008
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.72.2_78 |
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| Summary: | 「和文要旨」74歳女性, 急性胆嚢炎・胆管炎が軽快した1週間後に悪心・心窩部痛が出現し来院した. CT・上部消化管造影で十二指腸下行脚に嵌頓した結石を認め, Bouveret症候群(十二指腸胆石嵌頓)と診断した. 内視鏡下にバルーンカテーテル切石術と機械的結石砕石術を用い, 採石した. Bouveret症候群は外科治療されることが多いが, 内視鏡下に治療しえた意義は大きいと考える. 「はじめに」胆石イレウスは胆道消化管瘻を通過した胆道結石が腸管に嵌頓して生じる. その中で結石が幽門部や十二指腸に嵌頓して胃通過障害を来たす病態をBouveret症候群(以下, B-syn)という. B-synは外科治療されることが多いが, 内視鏡下に治療しえた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:74歳, 女性. 主訴:悪心, 心窩部痛. 既往歴:20歳十二指腸潰瘍. 現病歴:平成19年4月, 胆嚢炎・胆管炎のため入院. 抗生剤投与・胆管ステント挿入にて軽快し退院した. 退院1週間後, 突然の悪心・心窩部痛のため, 当院を受診した. 入院時現症:体温37.4℃, 血圧130/88mmHg, 脈拍82/分・整, 眼瞼結膜貧血なし, 眼球結膜黄染なし, 胸部異常所見なし, 腹部膨隆軟で, 心窩部に圧痛あり, 腹膜刺激症状なし. 入院時検査成績:軽度炎症所見のみで, 肝胆道系酵素の上昇は認めなかった(Table 1). |
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI: | 10.11641/pde.72.2_78 |