MRスペクトロスコピーを用いた慢性疼痛患者の評価の試み
「はじめに」慢性疼痛患者ではfMRIやMRIによる研究で前頭前野(prefrontal cortex)や前帯状回(anterior cingulated cortex)が萎縮していること1)視覚刺激による痛みの擬似体験で前頭前野や前帯状回が賦活されること2), 視床の神経機能が低下していること3)などが報告されている. このように慢性疼痛患者では視床, 前帯状回, 前頭前野の機能的変化が深く関与していると考えられる1~5). 前頭前野は痛みの認知面に関与すると考えられており, 前頭前野の機能低下は慢性疼痛特有の症状である, やる気がでない, 元気がない, 何もする気がしない, 意欲低下, 記銘...
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| Published in | PAIN RESEARCH Vol. 22; no. 1; pp. 27 - 33 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本疼痛学会
2007
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0915-8588 2187-4697 |
| DOI | 10.11154/pain.22.27 |
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| Summary: | 「はじめに」慢性疼痛患者ではfMRIやMRIによる研究で前頭前野(prefrontal cortex)や前帯状回(anterior cingulated cortex)が萎縮していること1)視覚刺激による痛みの擬似体験で前頭前野や前帯状回が賦活されること2), 視床の神経機能が低下していること3)などが報告されている. このように慢性疼痛患者では視床, 前帯状回, 前頭前野の機能的変化が深く関与していると考えられる1~5). 前頭前野は痛みの認知面に関与すると考えられており, 前頭前野の機能低下は慢性疼痛特有の症状である, やる気がでない, 元気がない, 何もする気がしない, 意欲低下, 記銘力の低下の原因とも考えられている6). 慢性腰痛患者では両側前頭前野の局所脳神経機能が低下していること7), 前頭前野が萎縮していることが報告されている2). 慢性疼痛患者に視床の電気刺激を行うと, 前頭前野の血流が上昇して痛みが緩和されること4), プラセボを投与すると前頭前野が活性化されることが報告されている8). また慢性腰痛患者, CRPS(complex regional pain syndrome;複合性局所疼痛症候群)患者では認知障害が起こることも報告されている6). |
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| ISSN: | 0915-8588 2187-4697 |
| DOI: | 10.11154/pain.22.27 |