小腸内視鏡にて診断し得た小腸クローン病の1例

「和文要旨」症例:25歳男性. 血便, 下痢, 腹痛を主訴に当院受診. 血液検査上貧血と低栄養を認め, 直腸診にて血便を認めたため入院となった. 腹部CT, 上部下部内視鏡, 小腸造影にて有意な所見なし. 小腸疾患を否定できず小腸内視鏡を施行したところ, 小腸の一部に縦列する小潰瘍を認め, 病理所見と合わせて小腸クローン病と診断した. 従来の検査で診断が難しい消化管出血の診断に小腸内視鏡検査は有用であると考えられた. 「はじめに」従来小腸疾患の精密検査には小腸造影が用いられてきたが, 微小病変は造影検査では指摘できず確定診断を得られずに原因不明とされる症例が少なからず存在した. 今回我々は小腸...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 74; no. 2; pp. 88 - 89
Main Authors 山田, 郁絵, 蓮見, 桂三, 小野, 弘二, 四元, 真由子, 前澤, 寧, 大野, 隆, 龍, 貴裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2009
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.74.2_88

Cover

More Information
Summary:「和文要旨」症例:25歳男性. 血便, 下痢, 腹痛を主訴に当院受診. 血液検査上貧血と低栄養を認め, 直腸診にて血便を認めたため入院となった. 腹部CT, 上部下部内視鏡, 小腸造影にて有意な所見なし. 小腸疾患を否定できず小腸内視鏡を施行したところ, 小腸の一部に縦列する小潰瘍を認め, 病理所見と合わせて小腸クローン病と診断した. 従来の検査で診断が難しい消化管出血の診断に小腸内視鏡検査は有用であると考えられた. 「はじめに」従来小腸疾患の精密検査には小腸造影が用いられてきたが, 微小病変は造影検査では指摘できず確定診断を得られずに原因不明とされる症例が少なからず存在した. 今回我々は小腸造影検査で指摘できなかった微小な小腸病変を認めた小腸クローン病を小腸内視鏡で診断し得たので報告する. 「症例」患者:25歳, 男性. 主訴:血便, 下痢, 腹痛. 既往歴:16歳時からてんかんでバルプロ酸を内服中. 20歳頃から貧血を指摘されている. 現病歴:2008年3月中旬から黒色便, 発熱を認めていた. 2008年3月23日外出時にはふらつきのため家人に迎えに来てもらった. 翌日午前9時頃, 血便を主訴に当院を受診し, 直腸診で血便を認めたため同日入院となった. 入院時現症:身長177.5cm. 体重57.4kg. BMI 18.2. 体温37.1℃. HR 97/分. 顔面蒼白. 眼瞼結膜貧血様. 腸蠕動音軽度亢進. 左側腹部~左下腹部及び右下腹部に圧痛あり.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.74.2_88