下咽頭癌を合併した早期十二指腸癌の1例

「はじめに」 特異な内視鏡所見を示し, 下咽頭癌を合併した早期十二指腸癌の1例を経験し, 内視鏡的に治癒切除が得られたので報告する. 「症例」 患者:50歳代前半, 男性. 既往歴:大酒家 日本酒5合/毎日. 喫煙30本/毎日. その他特記事項なし. 現病歴:検診のため近医で上部消化管内視鏡検査を行い, 十二指腸球部前面に隆起性病変を認め, 生検でGroup 3, 高度異型管状腺腫であったため, 精査加療目的で当院に紹介. 内視鏡所見:白色光(Color 1)では, 中央が発赤しやや陥凹した隆起性病変で, NBI拡大観察(Color 2)では, 浮腫状の絨毛様構造が大小不同で様々な形態を示し,...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 79; no. 2; pp. 80 - 81
Main Authors 柿崎, 暁, 飯塚, 春尚, 蘇原, 直人, 小川, 哲史, 萩原, 聡, 新井, 理記, 小野里, 康博, 棚橋, 美文, 坂元, 一葉, 伊藤, 秀明, 富澤, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2011
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.79.2_80

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Summary:「はじめに」 特異な内視鏡所見を示し, 下咽頭癌を合併した早期十二指腸癌の1例を経験し, 内視鏡的に治癒切除が得られたので報告する. 「症例」 患者:50歳代前半, 男性. 既往歴:大酒家 日本酒5合/毎日. 喫煙30本/毎日. その他特記事項なし. 現病歴:検診のため近医で上部消化管内視鏡検査を行い, 十二指腸球部前面に隆起性病変を認め, 生検でGroup 3, 高度異型管状腺腫であったため, 精査加療目的で当院に紹介. 内視鏡所見:白色光(Color 1)では, 中央が発赤しやや陥凹した隆起性病変で, NBI拡大観察(Color 2)では, 浮腫状の絨毛様構造が大小不同で様々な形態を示し, 表面構造の不整, 不均一が明瞭であったが, 表面微細血管像は不明瞭であった. EUSでは粘膜内病変であった. 治療経過:生検はGroup 3であり, 診断的治療目的で内視鏡的切除の適応とした. 治療時の内視鏡像(Color 3, 4)では初診時と違い, 白く縁取りされ白濁した絨毛様構造が, 様々な形態で大小不同に明瞭に観察される部位と, やや不揃いながら正常な絨毛構造と思われる部位が, 隆起上に境界明瞭に存在し, 異常血管は認めなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.79.2_80