止血に難渋した胃切除後吻合部潰瘍の1例

「はじめに」近年, 薬物治療, 内視鏡治療の進歩に伴い潰瘍治療はかなり進歩してきている. そのため, 胃切除後吻合部潰瘍手術についての報告1)は最近では皆無となっている. そのような状況下で, 我々は止血に難渋したBillroth II法再建後の吻合部潰瘍の1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:63歳, 男性. 主訴:タール便. 既往歴:小児結核, 十二指腸潰瘍で幽門側胃切除Billroth II法再建術施行(43歳), その後潰瘍再発症状はないため, 内視鏡検査は施行していなかった. アルコール性肝障害(56歳), 慢性閉塞性肺疾患(58歳), 左肺癌で胸腔鏡下左上...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 68 - 69
Main Authors 吉村, 光太郎, 平井, 康夫, 武田, 晋一郎, 芝崎, 英仁, 槇田, 智生, 金子, 高明, 福田, 啓之, 森居, 真史, 土井, 浩達, 辰己, 優子, 齋藤, 秀一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.77.2_68

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Summary:「はじめに」近年, 薬物治療, 内視鏡治療の進歩に伴い潰瘍治療はかなり進歩してきている. そのため, 胃切除後吻合部潰瘍手術についての報告1)は最近では皆無となっている. そのような状況下で, 我々は止血に難渋したBillroth II法再建後の吻合部潰瘍の1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:63歳, 男性. 主訴:タール便. 既往歴:小児結核, 十二指腸潰瘍で幽門側胃切除Billroth II法再建術施行(43歳), その後潰瘍再発症状はないため, 内視鏡検査は施行していなかった. アルコール性肝障害(56歳), 慢性閉塞性肺疾患(58歳), 左肺癌で胸腔鏡下左上葉切除術施行(63歳). 現病歴:2009年8月上旬に腹部超音波で胆石を指摘された. 8月下旬に食欲不振, 右季肋部痛出現し, 胆嚢炎の診断でNSAID, CFPN-PIを処方され軽快していた. 9月中旬に夕食後, タール便を認めたため来院し, 上部消化管出血の疑いで入院となった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.77.2_68