内瘻を伴うCrohn病狭窄を内視鏡的バルーン拡張術で治療した1例

「はじめに」Crohn病による狭窄病変に対する内視鏡的バルーン拡張術(Endoscopic Balloon Dilation:EBD)は, 手術を回避できる治療選択肢であるが, 内瘻併存例に対しては手術回避率が低いと報告されている. 今回Crohn病による回盲部の近傍に内瘻を伴った高度狭窄に対して栄養療法, 生物学的製剤を併用しEBDを繰り返し行うことにより外科治療を回避できた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:21歳, 男性. 主訴:発熱, 腹痛. 既往歴:なし. 現病歴:入院4か月前から食思不振と中途覚醒を伴う夜間の腹痛を自覚した. 入院1か月前から発熱し腹痛も増悪したため, 入院...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 95; no. 1; pp. 72 - 74
Main Authors 山本, 博徳, 砂田, 圭二郎, 櫻井, 祐輔, 坂本, 博次, 矢野, 智則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 20.12.2019
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.95.1_72

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Summary:「はじめに」Crohn病による狭窄病変に対する内視鏡的バルーン拡張術(Endoscopic Balloon Dilation:EBD)は, 手術を回避できる治療選択肢であるが, 内瘻併存例に対しては手術回避率が低いと報告されている. 今回Crohn病による回盲部の近傍に内瘻を伴った高度狭窄に対して栄養療法, 生物学的製剤を併用しEBDを繰り返し行うことにより外科治療を回避できた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:21歳, 男性. 主訴:発熱, 腹痛. 既往歴:なし. 現病歴:入院4か月前から食思不振と中途覚醒を伴う夜間の腹痛を自覚した. 入院1か月前から発熱し腹痛も増悪したため, 入院前日に近医で下部消化管内視鏡を施行され, 回盲部中心に狭窄を伴う潰瘍を認め, 翌日精査のため当科へ入院した. 排便状況:顕血便なし, 水様下痢2-3行/日.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.95.1_72