胸背部痛で発症した食道粘膜下血腫の2例
「はじめに」 胸部症状で突然発症する疾患は循環器疾患が代表的だが, 食道粘膜下血腫も鑑別になり得る. 今回, 抗血栓薬内服中に発症した2症例を経験したので報告する. 「症例」 【症例1】 患者:74歳, 女性. 主訴:胸背部痛. 既往歴:脳梗塞, 狭心症にてチクロピジン内服中. 現病歴:安静時に鋭い胸背部痛を自覚したため処方されていたニトログリセリンを内服するも改善なく, 当院救急外来受診となった. 初診時現症:特記すべき所見なし. 胸部造影CT:急性大動脈解離などを疑い施行したが血管病変はなく, 上部~下部食道内腔に高吸収, 造影効果のない構造物を認めた(Fig.1). 上部消化管内視鏡検査...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 98 - 99 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.82.1_98 |
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Summary: | 「はじめに」 胸部症状で突然発症する疾患は循環器疾患が代表的だが, 食道粘膜下血腫も鑑別になり得る. 今回, 抗血栓薬内服中に発症した2症例を経験したので報告する. 「症例」 【症例1】 患者:74歳, 女性. 主訴:胸背部痛. 既往歴:脳梗塞, 狭心症にてチクロピジン内服中. 現病歴:安静時に鋭い胸背部痛を自覚したため処方されていたニトログリセリンを内服するも改善なく, 当院救急外来受診となった. 初診時現症:特記すべき所見なし. 胸部造影CT:急性大動脈解離などを疑い施行したが血管病変はなく, 上部~下部食道内腔に高吸収, 造影効果のない構造物を認めた(Fig.1). 上部消化管内視鏡検査(EGD):食道入口部から食道-胃接合部にわたり, 1/3周性の暗紫色のなだらかな隆起性病変を認め, 食道粘膜下血腫と診断した(Color 1). 臨床経過:疼痛が強かったため入院の上, 絶食として酸分泌抑制剤, アルギン酸ナトリウム内服で保存的治療を行った. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.82.1_98 |