閉塞性黄疸を伴う肝細胞癌症例に対して内視鏡的減黄術を行った2例
『和文要旨』 胆管侵襲により閉塞性黄疸を伴う肝細胞癌は, Icteric type Hepatomaと呼称されることもあり, 従来予後不良な病態とされてきた. しかし近年, 有効な減黄術に引き続き適切な治療を施行した症例における長期生存例の報告が散見されるようになった. 今回我々は内視鏡的減黄術により良好な減黄を得て, 引き続き施行した積極的抗癌治療が奏効した2例を経験したので報告する. 『はじめに』 肝細胞癌の胆管侵襲はしばしば閉塞性黄疸を伴うが, 胆管侵襲の頻度は門脈侵襲や肝静脈侵襲に比較し低く, 0.4%~5%程度と報告され, Icteric type Hepatomaと呼称されることも...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 76; no. 2; pp. 130 - 131 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.76.2_130 |
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Summary: | 『和文要旨』 胆管侵襲により閉塞性黄疸を伴う肝細胞癌は, Icteric type Hepatomaと呼称されることもあり, 従来予後不良な病態とされてきた. しかし近年, 有効な減黄術に引き続き適切な治療を施行した症例における長期生存例の報告が散見されるようになった. 今回我々は内視鏡的減黄術により良好な減黄を得て, 引き続き施行した積極的抗癌治療が奏効した2例を経験したので報告する. 『はじめに』 肝細胞癌の胆管侵襲はしばしば閉塞性黄疸を伴うが, 胆管侵襲の頻度は門脈侵襲や肝静脈侵襲に比較し低く, 0.4%~5%程度と報告され, Icteric type Hepatomaと呼称されることもある1,2). このような症例は減黄に難渋し, 適切な抗癌治療が行い得ないことが多く従来は予後不良な病態とされてきたが, 近年有効な減黄術に引き続き適切な治療を施行した症例での長期生存例の報告が散見される3). 『症例』 症例1 患者:77歳, 女性. C型肝硬変経過観察中, 肝腫瘍指摘され2009年1月当院初診となる. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.76.2_130 |