食道癌ESD後狭窄のバルーン拡張で穿孔を来した1例
「はじめに」 内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)の進歩により表在型食道癌においては大型病変の一括切除が可能となった. しかし全周切除ではESD後の狭窄が問題となっており, 様々な狭窄予防法が行われている. 狭窄に対しての拡張術において穿孔も報告されている. 今回ESD後の狭窄に対してバルーン拡張術を施行した際に巨大食道穿孔を認め, 保存的に閉鎖しえた1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:80歳代, 男性. 主訴:胸痛. 既往歴:特記事項なし. 喫煙歴:60歳から禁煙(過去100本/日, 46年). 飲酒歴:ビール700ml...
Saved in:
Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 81; no. 2; pp. 80 - 81 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
07.12.2012
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.81.2_80 |
Cover
Summary: | 「はじめに」 内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)の進歩により表在型食道癌においては大型病変の一括切除が可能となった. しかし全周切除ではESD後の狭窄が問題となっており, 様々な狭窄予防法が行われている. 狭窄に対しての拡張術において穿孔も報告されている. 今回ESD後の狭窄に対してバルーン拡張術を施行した際に巨大食道穿孔を認め, 保存的に閉鎖しえた1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:80歳代, 男性. 主訴:胸痛. 既往歴:特記事項なし. 喫煙歴:60歳から禁煙(過去100本/日, 46年). 飲酒歴:ビール700ml, 日本酒2合/日(60年). 現病歴:2011年9月に上部消化管内視鏡を施行し, 切歯列より25cmに40mm大の3/4周性の0-IIc病変を認めた. 精査の結果, 早期食道癌の診断で同年10月にESDを施行した. 一括切除し, 病理結果後に治癒切除と診断した. 一部で全周切除となったため狭窄予防目的にプレドニゾロン(PSL)30mgの内服を開始した. |
---|---|
ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.81.2_80 |