EUS-FNAが診断に有用であった胃癌吻合部再発の1例

「はじめに」 胃癌術後の吻合部再発は, 粘膜生検で診断に至ることが多いが, 粘膜下を主座として再発する症例では確定診断が困難である. 今回我々は, 超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)が診断に有用であった, 胃癌術後吻合部再発の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 55歳, 男性. 主訴 : 食思不振, 嘔吐. 既往歴 : 53歳時4型進行胃癌に対して, 胃全摘術・Roux-en Y再建術を施行(低分化腺癌, T4aN0M0, Stage IIB). 切除断端には腫瘍細胞を認めず. 術後補助化学療法としてTS-1+クレスチン併用療法を施行. 家族歴 : 父肺癌, 母高血圧....

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 85; no. 1; pp. 88 - 89
Main Authors 國崎, 主税, 前田, 愼, 室橋, 光太, 三輪, 治生, 石井, 寛裕, 粉川, 敦史, 戸塚, 雄一郎, 杉森, 一哉, 亀田, 英里, 石井, ゆにば, 大島, 貴, 田中, 克明, 沼田, 和司, 金子, 卓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 06.12.2014
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.85.1_88

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Summary:「はじめに」 胃癌術後の吻合部再発は, 粘膜生検で診断に至ることが多いが, 粘膜下を主座として再発する症例では確定診断が困難である. 今回我々は, 超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)が診断に有用であった, 胃癌術後吻合部再発の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 55歳, 男性. 主訴 : 食思不振, 嘔吐. 既往歴 : 53歳時4型進行胃癌に対して, 胃全摘術・Roux-en Y再建術を施行(低分化腺癌, T4aN0M0, Stage IIB). 切除断端には腫瘍細胞を認めず. 術後補助化学療法としてTS-1+クレスチン併用療法を施行. 家族歴 : 父肺癌, 母高血圧. 現病歴 : 2013年11月より食思不振, 嘔吐が出現. 近医にて上部消化管内視鏡検査を施行したところ, 食道空腸吻合部に狭窄を認めたが, 粘膜生検では悪性所見を認めず, 術後瘢痕による良性狭窄と考えられた. 狭窄に対してバルーン拡張術を計3回施行したが, 症状改善を認めなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.85.1_88