感覚環境の変化検出システム

「1. はじめに」我々は, 日常生活において絶えず感覚入力を受けている. そのなかで, 感覚の「変化」を検出することは, その後の適切な行動選択のために非常に重要であることは容易に想像できる. 例えば突然背中を触れられれば, 新たに生じた感覚入力による「変化」が検出され, 接触した物体が何なのかを探るために振り返る. また, テレビのバラエティ番組などでよく見かけるが, 床が突然抜ければ自分の足底にあるはずの入力が消失したという「変化」が検出され, 足元へ注意が向けられ防御反応などの適切な行動をとる. このような「変化」を検出する仕組みは脳内でどのように表現されているのであろうか. 想定される...

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Published in日本基礎理学療法学雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 2 - 7
Main Author 大鶴, 直史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本基礎理学療法学会 08.11.2017
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ISSN2186-0742
2434-0731
DOI10.24780/jptf.20.2_2

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Summary:「1. はじめに」我々は, 日常生活において絶えず感覚入力を受けている. そのなかで, 感覚の「変化」を検出することは, その後の適切な行動選択のために非常に重要であることは容易に想像できる. 例えば突然背中を触れられれば, 新たに生じた感覚入力による「変化」が検出され, 接触した物体が何なのかを探るために振り返る. また, テレビのバラエティ番組などでよく見かけるが, 床が突然抜ければ自分の足底にあるはずの入力が消失したという「変化」が検出され, 足元へ注意が向けられ防御反応などの適切な行動をとる. このような「変化」を検出する仕組みは脳内でどのように表現されているのであろうか. 想定される非常に簡単なモデルを図1に示す. 脳が新たに入力された感覚刺激を「変化」として捉えるには, 必ず先行する感覚履歴との比較が必要になると思われる.
ISSN:2186-0742
2434-0731
DOI:10.24780/jptf.20.2_2