JHPS国際シンポジウム:トリチウム問題をいかに解決するべきか? 国際的視点および社会的視点から見た放射線防護
「1. はじめに」東京電力福島第一原子力発電所 (以下, 福島第一原発と略す) 事故に伴うトリチウム水は, 処理方法としての海洋放出に国内及び国外から社会的な注目が集まっている. 経済産業省に設置された多核種除去設備 (ALPS : Advanced Liquid Processing System) 等処理水の取扱いに関する小委員会 (以下, ALPS小委員会と略す) は, トリチウムを希釈して海洋に放出することは技術的に可能であり現実的な選択肢としている. 一方で漁業関係者を中心に「風評被害」について懸念が上がっており, 社会的な合意の難しさを示している. この状況において, 放射線防護の...
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Published in | 保健物理 Vol. 55; no. 4; pp. 173 - 182 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本保健物理学会
28.12.2020
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0367-6110 1884-7560 |
DOI | 10.5453/jhps.55.173 |
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Summary: | 「1. はじめに」東京電力福島第一原子力発電所 (以下, 福島第一原発と略す) 事故に伴うトリチウム水は, 処理方法としての海洋放出に国内及び国外から社会的な注目が集まっている. 経済産業省に設置された多核種除去設備 (ALPS : Advanced Liquid Processing System) 等処理水の取扱いに関する小委員会 (以下, ALPS小委員会と略す) は, トリチウムを希釈して海洋に放出することは技術的に可能であり現実的な選択肢としている. 一方で漁業関係者を中心に「風評被害」について懸念が上がっており, 社会的な合意の難しさを示している. この状況において, 放射線防護の視点から (一社) 日本保健物理学会が果たしていくべき役割は, 技術的な課題に注目するだけでなく, 社会的な課題を含めて, 放射線防護のあり方はどうあるべきかを俯瞰しつつ, 解決の道筋をみつける手助けをしていくことである. |
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ISSN: | 0367-6110 1884-7560 |
DOI: | 10.5453/jhps.55.173 |