うつ病患者に対する栄養食事指導~中断要因についての後方視調査を中心に

「緒言」厚生労働省の統計によると, 精神疾患により医療機関を受診している(外来・入院含む)患者数は年々増加傾向にある. それに伴い, 2011年7月より, それまでの国民の「4大疾病」(がん, 脳卒中, 心筋梗塞, 糖尿病)に新たに精神疾患を加えて「5大疾病」の1つに位置付けられた. 特に, うつ病患者数は増加傾向にあり, 精神疾患専門病院以外の一般診療科の病院で栄養食事指導(以下 "指導" )を実施する際に, うつ病既往の患者を経験する機会も増えていると考えられる. その要因の1つとして, 同疾患の病態には食生活を中心とした生活習慣が関与することが挙げられる. 事実, 精...

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Published inNew Diet Therapy Vol. 40; no. 1; pp. 3 - 10
Main Authors 瀨川, 和彦, 笠原, 康平, 功刀, 浩, 宮本, 佳世子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床栄養協会 2024
日本臨床栄養協会
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ISSN0910-7258
2434-7159
DOI10.32270/jcna.40.1_3

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Summary:「緒言」厚生労働省の統計によると, 精神疾患により医療機関を受診している(外来・入院含む)患者数は年々増加傾向にある. それに伴い, 2011年7月より, それまでの国民の「4大疾病」(がん, 脳卒中, 心筋梗塞, 糖尿病)に新たに精神疾患を加えて「5大疾病」の1つに位置付けられた. 特に, うつ病患者数は増加傾向にあり, 精神疾患専門病院以外の一般診療科の病院で栄養食事指導(以下 "指導" )を実施する際に, うつ病既往の患者を経験する機会も増えていると考えられる. その要因の1つとして, 同疾患の病態には食生活を中心とした生活習慣が関与することが挙げられる. 事実, 精神疾患に罹患した集団におけるメタボリックシンドロームの有病率は, 主に海外報告のメタ解析では統合失調症で32.5%, 双極性感情障害で37.3%, うつ病で30.5%と高い数値を示しており, 指導を要する患者が多い.
ISSN:0910-7258
2434-7159
DOI:10.32270/jcna.40.1_3