眼軸長別にみた術後の患者希望屈折度と術前屈折値との関連
両眼白内障手術希望者の術前屈折値と患者の希望した屈折度の傾向および術後の屈折値を眼軸長別に調べ、術後の評価として眼鏡の有無とその用途から希望通りの結果が得られているかを検討した。対象は術者・術式を同一にし、術後矯正視力0.7以上、乱視度数-2.0D以下、術後3か月以上の経過観察が可能であった400例800眼である。これらを眼軸長別に3群に分け、自覚的屈折度の等価球面値にて術前屈折値・希望屈折度・術後屈折値を求めた。術前屈折値は、短眼軸長群および標準眼軸長群では近視は2割前後であったのに対し、長眼軸長群では近視が8割以上を占めたことから、長眼軸になるにつれ近視の占める割合が高くなることがわかった...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 33; pp. 91 - 96 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2004
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.33.91 |
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Summary: | 両眼白内障手術希望者の術前屈折値と患者の希望した屈折度の傾向および術後の屈折値を眼軸長別に調べ、術後の評価として眼鏡の有無とその用途から希望通りの結果が得られているかを検討した。対象は術者・術式を同一にし、術後矯正視力0.7以上、乱視度数-2.0D以下、術後3か月以上の経過観察が可能であった400例800眼である。これらを眼軸長別に3群に分け、自覚的屈折度の等価球面値にて術前屈折値・希望屈折度・術後屈折値を求めた。術前屈折値は、短眼軸長群および標準眼軸長群では近視は2割前後であったのに対し、長眼軸長群では近視が8割以上を占めたことから、長眼軸になるにつれ近視の占める割合が高くなることがわかった。希望屈折度は、短眼軸長群・標準眼軸長群でほぼ全例が正視を希望したのに対し、長眼軸長群の半数近くは近視希望であった。術後屈折値は、各眼軸長群とも希望屈折度とほぼ同等の結果が獲得できた。術後の眼鏡使用状況からも、術前に期待した屈折度が得られていると評価できた。白内障の術前に患者のそれまでのライフスタイルと術後希望屈折度を把握し、術後の見え方を充分説明し同意を得た上でそれを実現することがquality of vision (QOV)の向上につながると考えられた。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.33.91 |