軽度肝機能異常を伴う成人男性に対するガレート型カテキン含有日本茶の効能

「緒言」C型肝炎や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)における肝機能障害には, 鉄の過剰な蓄積が関与することが知られている. 特に中年以降男性ではその傾向が強く, フェリチン高値を伴うC型慢性肝炎患者に対しては, 現在「瀉血療法」が保険診療で認められている. 一方, 緑茶は豊富な茶カテキンを含み, 「日本後紀」(815年)に飲用に関する記載があるように, 1,000年を超えて日本人に愛飲されている. また日本茶以外にも様々な種類の茶が, 世界の人口の約半分に日常的に飲まれていると言われ, 茶は人類の歴史において最も食経験が豊富な飲料であるといえる. 日本茶に含まれるカテキン(タンニン)は, 鉄を...

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Published inNew Diet Therapy Vol. 38; no. 3; pp. 3 - 12
Main Authors 尾形, 珠恵, 荒木, 義晴, 酒井, 友里奈, 鈴木, 奈々, 西﨑, 泰弘, 稲垣, 幸子, 小林, 誠, 衣笠, 仁, 峰, 明奈, 菊地, 恵観子, 山田, 千積, 菊池, 真大, 瀧原, 孝宣, 山鹿, 由莉, 岸本, 憲明, 塩澤, 宏和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床栄養協会 2022
日本臨床栄養協会
Subjects
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ISSN0910-7258
2434-7159
DOI10.32270/jcna.38.3_3

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Summary:「緒言」C型肝炎や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)における肝機能障害には, 鉄の過剰な蓄積が関与することが知られている. 特に中年以降男性ではその傾向が強く, フェリチン高値を伴うC型慢性肝炎患者に対しては, 現在「瀉血療法」が保険診療で認められている. 一方, 緑茶は豊富な茶カテキンを含み, 「日本後紀」(815年)に飲用に関する記載があるように, 1,000年を超えて日本人に愛飲されている. また日本茶以外にも様々な種類の茶が, 世界の人口の約半分に日常的に飲まれていると言われ, 茶は人類の歴史において最も食経験が豊富な飲料であるといえる. 日本茶に含まれるカテキン(タンニン)は, 鉄を初めとする金属と重合する性質があり, 酸化ストレスを軽減するとともにコレステロールを低下することが知られ, 現在, 消費者庁の機能性食品表示を獲得して流通する商品が複数存在する.
ISSN:0910-7258
2434-7159
DOI:10.32270/jcna.38.3_3