治療方針決定に苦慮したNSAIDs長期内服中の虚血性小腸炎の1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 108 - 109
• Main Authors: 木戸, こずえ, 池上, 正, 伊藤, 真典, 本多, 彰, 松﨑, 靖司, 岩本, 淳一, 屋良, 昭一郎, 村上, 昌, 齋藤, 吉史, 平山, 剛
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 回腸狭窄; 虚血性小腸炎
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.77.2_108

「はじめに」治療方針決定に苦慮したNSAIDs長期内服中の虚血性小腸炎の1例を経験したので報告する. 「症例」患者：73歳, 男性. 主訴：食欲不振, 体重減少, 水様便. 既往歴：34歳時に関節リウマチと診断され, 抗リウマチ薬(サラゾスルファピリジン), プレドニゾロン, NSAIDs(ジクロフェナク)を長期内服. 68歳時に関節水腫に対し人工関節置換術施行. 現病歴：2008年9月頃より食欲不振, 約10kgの体重減少が出現し, 2009年1月頃より水様便が出現した. 他院で回腸狭窄性病変を指摘され, 精査加療目的で2009年2月当院当科へ転院した. 入院時現症：身長157.3cm, 体重43.6kg, 血圧107/66mmHg, 脈拍105/分, 体温36.6℃, 意識清明. 胸部理学的所見に異常を認めず. 右下腹部に圧痛を認め, 水様便を頻回に認めた. 入院時血液検査所見：WBC5900/μl, Hb8.7g/dl, BUN29.2mg/dl, Cre0.64mg/dl, TP4.1g/dl, Alb2.2g/dl, CRP1.77mg/dl. 腫瘍マーカーはCEA, CA19-9とも陰性であった.