剣道による急性感音難聴 症例報告と試験的面打ちによるTTSの検討
剣道が聴覚障害の原因になり得ることが指摘されているが, 個々の例で因果関係が証明された報告はない。 今回, 剣道の稽古直後に発症した一側性急性感音難聴が治療により回復した症例を経験した。 本例の難聴病態にはTTS (temporary threshold shift) が長時間かけて回復した機序が想定されるが, 剣道が直接の原因となった感音難聴臨床例として貴重な例である。 また, 本症例を契機に宮崎医科大学剣道部員学生ボランティア17例を対象に純音聴力検査を施行し, 面打ち前後のオージオグラムの変化を測定した。 面打ち前に高音域dip型聴力障害を示した例が2例あり, この2例にのみ面打ち後のT...
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          | Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 42; no. 4; pp. 243 - 248 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本聴覚医学会
    
        1999
     日本聴覚医学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0303-8106 1883-7301  | 
| DOI | 10.4295/audiology.42.243 | 
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| Summary: | 剣道が聴覚障害の原因になり得ることが指摘されているが, 個々の例で因果関係が証明された報告はない。 今回, 剣道の稽古直後に発症した一側性急性感音難聴が治療により回復した症例を経験した。 本例の難聴病態にはTTS (temporary threshold shift) が長時間かけて回復した機序が想定されるが, 剣道が直接の原因となった感音難聴臨床例として貴重な例である。 また, 本症例を契機に宮崎医科大学剣道部員学生ボランティア17例を対象に純音聴力検査を施行し, 面打ち前後のオージオグラムの変化を測定した。 面打ち前に高音域dip型聴力障害を示した例が2例あり, この2例にのみ面打ち後のTTSが陽性であった。 これは, 試験的面打ちによるTTSの評価が剣道家の 「剣道難聴」 受傷性判定に有用である可能性を示すものと考える。 | 
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| ISSN: | 0303-8106 1883-7301  | 
| DOI: | 10.4295/audiology.42.243 |