興味ある形態を呈した食道癌肉腫の1例

『和文要旨』 症例は63歳男性, 嚥下困難を主訴に来院された. 上部消化管内視鏡で上切歯列から30cmの食道に, 長径約10cmの1p型病変と, その肛側に連続する3型病変を認めた. 生検で癌肉腫と診断された. 右開胸開腹胸部食道全摘, 頸胸腹部3領域リンパ節郭清術を施行した. 切除標本病理所見では, 肉腫成分と中分化扁平上皮癌から成り, 癌肉腫と診断した. 術後5ヵ月目に胸膜再発を認めた. 『はじめに』 食道癌肉腫は, 食道悪性腫瘍のうち比較的稀で, 間葉系性格を有した紡錘形ないし多形性腫瘍細胞を伴う癌腫であり, 上皮内に扁平上皮癌を伴っているものである1). 本邦では, 1929年に沓掛2...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 76; no. 2; pp. 52 - 53
Main Authors 名久井, 実, 千野, 修, 島田, 英雄, 幕内, 博康, 小澤, 壯治, 数野, 暁人, 山本, 壮一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.76.2_52

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Summary:『和文要旨』 症例は63歳男性, 嚥下困難を主訴に来院された. 上部消化管内視鏡で上切歯列から30cmの食道に, 長径約10cmの1p型病変と, その肛側に連続する3型病変を認めた. 生検で癌肉腫と診断された. 右開胸開腹胸部食道全摘, 頸胸腹部3領域リンパ節郭清術を施行した. 切除標本病理所見では, 肉腫成分と中分化扁平上皮癌から成り, 癌肉腫と診断した. 術後5ヵ月目に胸膜再発を認めた. 『はじめに』 食道癌肉腫は, 食道悪性腫瘍のうち比較的稀で, 間葉系性格を有した紡錘形ないし多形性腫瘍細胞を伴う癌腫であり, 上皮内に扁平上皮癌を伴っているものである1). 本邦では, 1929年に沓掛2)により初例が報告されている. 今回我々は胸腹部食道に興味ある形態を呈した巨大な食道癌肉腫の1例を経験したので報告する. 『症例』 患者:63歳, 男性. 主訴:嚥下困難. 既往歴:特になし. 個人歴:喫煙20本/日×40年, 日本酒3合/日×40年. 現病歴:上記主訴のため近医を受診し上部消化管内視鏡で食道病変を指摘され当院を紹介受診となった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.76.2_52