遺伝性痙性対麻痺と診断されていた家族性筋萎縮性側索硬化症の1家系
30年以上にわたり四肢の筋萎縮を呈した44歳男性の筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis; ALS)4を報告する.患者は10歳代に発症し20歳代に遺伝性痙性対麻痺(hereditary spastic paraplegia; HSP)と診断された.自覚症状はないものの腓腹神経の軸索障害を認めた.父・叔父もHSPと診断されていた.父は73歳.20歳代に歩行障害を呈し60歳代で下肢の運動機能がほぼ消失し,今回の診察で四肢筋萎縮,温度覚・振動覚・関節位置覚の障害を認めた.遺伝子検査で共にsenataxin(SETX)遺伝子変異(c.8C>T,p.T3I)...
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          | Published in | 臨床神経学 Vol. 57; no. 11; pp. 685 - 690 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本神経学会
    
        2017
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| Subjects | |
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| ISSN | 0009-918X 1882-0654  | 
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-000996 | 
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| Summary: | 30年以上にわたり四肢の筋萎縮を呈した44歳男性の筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis; ALS)4を報告する.患者は10歳代に発症し20歳代に遺伝性痙性対麻痺(hereditary spastic paraplegia; HSP)と診断された.自覚症状はないものの腓腹神経の軸索障害を認めた.父・叔父もHSPと診断されていた.父は73歳.20歳代に歩行障害を呈し60歳代で下肢の運動機能がほぼ消失し,今回の診察で四肢筋萎縮,温度覚・振動覚・関節位置覚の障害を認めた.遺伝子検査で共にsenataxin(SETX)遺伝子変異(c.8C>T,p.T3I)を認め,ALS4の1家系と判明した.ALS4はHSPと臨床所見が類似している点もあり,遺伝子検査にHSPと診断された家系にALS4家系が潜んでいる可能性が考えられた. | 
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654  | 
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-000996 |