2006年ITP全国調査報告について

小児特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) の臨床像, 予後と管理の実態を明らかにするため, 本委員会では, 日本小児血液学会評議委員を対象として2000年度から毎年小児ITP全国調査を実施してきた.2007年にも2006年1月から12月までに新たに診断されたITP患児と経過観察症例を対象として同様の調査を行ったので報告する.新規症例167例は男児94例, 女児73例で, 男女比は1.29 : 1で, 平均年齢は3.93±3.63歳であった.年齢別報告数は1歳以下がもっとも多く, 年齢が大きくなるにつれて報告数は減少していた.診断時の血小板数は1万未満がほぼ半数であった.初期治療では, 血小板数...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 22; no. 5-6; pp. 378 - 381
Main Authors 梶原, 道子, 今泉, 益栄, 太田, 茂, 白幡, 聡, 石井, 榮一, 別所, 文雄, 瀧, 正志, 北澤, 淳一, 久保田, 優, 三浦, 琢磨, 三間屋, 純一, 岡, 敏明, 藤沢, 康司, 高橋, 幸博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.12.2008
日本小児血液学会
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.22.378

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Summary:小児特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) の臨床像, 予後と管理の実態を明らかにするため, 本委員会では, 日本小児血液学会評議委員を対象として2000年度から毎年小児ITP全国調査を実施してきた.2007年にも2006年1月から12月までに新たに診断されたITP患児と経過観察症例を対象として同様の調査を行ったので報告する.新規症例167例は男児94例, 女児73例で, 男女比は1.29 : 1で, 平均年齢は3.93±3.63歳であった.年齢別報告数は1歳以下がもっとも多く, 年齢が大きくなるにつれて報告数は減少していた.診断時の血小板数は1万未満がほぼ半数であった.初期治療では, 血小板数が1万未満ではIVIgGの使用比率が80%以上であったが, 血小板数が2万以上の症例では無治療経過観察の割合が多かった.慢性型は26.4%であり, 年齢が高いほど慢性型の頻度は高く, ワクチン接種後のITPでは慢性型の頻度は非常に低かった.慢性型の経過観察症例は199例で, 48例は無治療であり, 脾摘は28例に行われていた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.22.378