実験的腰痛における機能的MRIを用いた疼痛関連脳活動の検討

「はじめに」下肢痛を含む腰痛は, 有愁訴率の高い痛みであり9), その発生機序や病態は, 完全には解明されていない. また, その予後は, 手術症例を含め一般的に良好である. しかし, その中には, 難治性の非特異的慢性腰痛の患者が存在する. 非特異的慢性腰痛には, 心理的要因, 社会的背景が早期から深く関与している10, 17). さらに, 慢性腰痛患者では, 局所脳血流の低下や萎縮などの脳の機能的・器質的異常が認められ, 疼痛認知異常の可能性も指摘されている1, 5, 6). 近年. 脳機能イメージング研究が急速に発達し, 特に機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 23; no. 3; pp. 123 - 130
Main Authors 畑下, 智, 国分, 美加, 荒井, 至, 小林, 義尊, 赤石沢, 孝, 加藤, 欽志, 倉田, 二郎, 鹿山, 悟, 千葉, 義弘, 菊地, 臣一, 紺野, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 2008
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ISSN0915-8588
2187-4697
DOI10.11154/pain.23.123

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Summary:「はじめに」下肢痛を含む腰痛は, 有愁訴率の高い痛みであり9), その発生機序や病態は, 完全には解明されていない. また, その予後は, 手術症例を含め一般的に良好である. しかし, その中には, 難治性の非特異的慢性腰痛の患者が存在する. 非特異的慢性腰痛には, 心理的要因, 社会的背景が早期から深く関与している10, 17). さらに, 慢性腰痛患者では, 局所脳血流の低下や萎縮などの脳の機能的・器質的異常が認められ, 疼痛認知異常の可能性も指摘されている1, 5, 6). 近年. 脳機能イメージング研究が急速に発達し, 特に機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)が痛みの研究に頻用されている. fMRIとは, 神経活性増大に伴う酸素消費増加率よりも脳血流増加率の方が数倍大きいという原理に基づき, 血液中のヘモグロビンを内因子造影剤として利用する技術である.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.23.123