マイクロ波やソフト凝固システムを用いた腹腔鏡下肝切除術の適応拡大
「緒言」腹腔鏡下肝切除は, その解剖学的特殊性, 手術手技の困難性などから, 限られた施設で限られた術式が行われてきた1). しかしながら, 肝切離機器の進歩と相まって徐々に普及し, 2010年4月には腹腔鏡下肝部分切除および肝外側区域切除術が保険収載された. 最近では, 生体肝移植においてもドナー手術が腹腔鏡下に行われるようになっている2). このように近年急速に広まりつつある腹腔鏡下肝切除であるが, その適応を安全に拡大していくためには信頼のおける止血デバイスが不可欠である. 我々はこれまで止血デバイスとしてマイクロ波によるプレ凝固やソフト凝固システムを導入することで, 腹腔鏡下肝切除の適...
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Published in | Journal of Microwave Surgery Vol. 30; pp. 133 - 138 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会
2012
メディカルレビュー社 |
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ISSN | 0917-7728 1882-210X |
DOI | 10.3380/jmicrowavesurg.30.133 |
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Summary: | 「緒言」腹腔鏡下肝切除は, その解剖学的特殊性, 手術手技の困難性などから, 限られた施設で限られた術式が行われてきた1). しかしながら, 肝切離機器の進歩と相まって徐々に普及し, 2010年4月には腹腔鏡下肝部分切除および肝外側区域切除術が保険収載された. 最近では, 生体肝移植においてもドナー手術が腹腔鏡下に行われるようになっている2). このように近年急速に広まりつつある腹腔鏡下肝切除であるが, その適応を安全に拡大していくためには信頼のおける止血デバイスが不可欠である. 我々はこれまで止血デバイスとしてマイクロ波によるプレ凝固やソフト凝固システムを導入することで, 腹腔鏡下肝切除の適応拡大を図ってきており, その変遷, 当院での手術手技と手術成績を供覧する. 「I. 当院での腹腔鏡下肝切除の変遷(Fig. 1)」当院では2000年より症例を限定して腹腔鏡下肝切除を開始したが, 本格的には, 2007年に比較的低温で組織を炭化させることなく凝固できるソフト凝固モードを備えたジェネレーターのVIO(R) 300D(エルベ社)を導入して以降である. |
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ISSN: | 0917-7728 1882-210X |
DOI: | 10.3380/jmicrowavesurg.30.133 |