下血を主訴としたS状結腸血管腫と2型盲腸癌を併発した1例
症例は62歳女性.左下腹部痛を伴う数回の下血を契機に当院を受診し,大腸内視鏡検査から盲腸に2型の癌とS状結腸に1/2周の粘膜面が結節状で暗青色の隆起性病変を認めた.また,腹部CTにてS状結腸壁の肥厚と一致した石灰化巣の所見から血管腫を疑い手術を施行した.切除検体は,S状結腸に4.5cm×4.0cmの暗青色の境界明瞭な隆起性病変を認め,組織学的には粘膜下組織から一部漿膜下にいたる,血管増殖を主体としたことからGentry分類のcavernous hemangioma simple polypoidと診断した.大腸血管腫は稀な疾患であるが,その特徴的所見から診断は比較的容易と考えられる.今回われわ...
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| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 56; no. 5; pp. 234 - 238 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
2003
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.56.234 |
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| Summary: | 症例は62歳女性.左下腹部痛を伴う数回の下血を契機に当院を受診し,大腸内視鏡検査から盲腸に2型の癌とS状結腸に1/2周の粘膜面が結節状で暗青色の隆起性病変を認めた.また,腹部CTにてS状結腸壁の肥厚と一致した石灰化巣の所見から血管腫を疑い手術を施行した.切除検体は,S状結腸に4.5cm×4.0cmの暗青色の境界明瞭な隆起性病変を認め,組織学的には粘膜下組織から一部漿膜下にいたる,血管増殖を主体としたことからGentry分類のcavernous hemangioma simple polypoidと診断した.大腸血管腫は稀な疾患であるが,その特徴的所見から診断は比較的容易と考えられる.今回われわれは大腸血管腫についての特徴的所見を中心に文献的考察を加えて報告する. |
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| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.56.234 |