国際要員を目指す看護職の看護実践力の強化研修と今後の課題

海外の人道危機の増加に伴い国際救援活動のニーズは高まっている。国際活動に従事する看護職には幅広い対象の様々な疾患や外傷に対応できるジェネラリストとしての看護実践力が求められる。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院では、国際要員を目指す看護職の実践力の強化研修制度を設けている。プログラムは研修者の背景や目標に基づき選択した研修部署をローテートするOJTと、国際医療救援部でのOff-JTを融合させている。OJT内容はEMTで提供する医療サービス21/27項目を網羅している。修了者23名は、災害救援、紛争地での人道支援や開発協力などに延べ58回派遣されており、3名は管理的な役割を担う者もいた。...

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Published inJapanese Journal of Disaster Medicine Vol. 29; no. 1; pp. 8 - 15
Main Authors 関塚, 美穂, 伊藤, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本災害医学会 07.02.2024
日本災害医学会
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ISSN2189-4035
2434-4214
DOI10.51028/jjdisatmed.29.1_8

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Summary:海外の人道危機の増加に伴い国際救援活動のニーズは高まっている。国際活動に従事する看護職には幅広い対象の様々な疾患や外傷に対応できるジェネラリストとしての看護実践力が求められる。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院では、国際要員を目指す看護職の実践力の強化研修制度を設けている。プログラムは研修者の背景や目標に基づき選択した研修部署をローテートするOJTと、国際医療救援部でのOff-JTを融合させている。OJT内容はEMTで提供する医療サービス21/27項目を網羅している。修了者23名は、災害救援、紛争地での人道支援や開発協力などに延べ58回派遣されており、3名は管理的な役割を担う者もいた。成人教育を基盤とした本研修は、教育機関ではなく医療施設の臨床現場を活用したプログラムであり、より効果的な研修とするためには、国際基準として求められている看護実践内容を踏まえ、感染管理、Community Engagement and Accountability、Protection, Gender and Inclusionなどを研修に包含する必要がある。
ISSN:2189-4035
2434-4214
DOI:10.51028/jjdisatmed.29.1_8