1-2 コンベックス走査式超音波気管支ファイバースコープ及びOCT (optical coherence tomography)の開発と将来(シンポジウム1 Bronchoscopeの開発と将来)

近年,気管支鏡の進歩は目覚しいものがある.ここでは,現在開発中のコンベックス走査式超音波気管支ファイバースコープ及びOCT (optical coherence tomography)の開発と将来について述べる.コンベックス走査式超音波気管支ファイバースコープは気管支鏡の先端にコンベックス走査式超音波プローブを取り付けた新しい気管支鏡である.常時Bモードとカラードプラモードで観察でき,気管支周囲のリンパ節と腫瘍の描出が可能で,カラードプラにより血管系との鑑別が可能である.さらに,本装置の2.2mm鉗子チャンネルを利用しReal-TimeのEBUSガイド下TBACも可能であり,リンパ節の局在診断...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 8; pp. 595 - 602
Main Authors 一ノ瀬, 修二, 梶原, 直央, 永田, 真一, 池田, 徳彦, 加藤, 治文, 林, 和, 河野, 貴文, 坪井, 正博, 奥仲, 哲弥, 平野, 隆, 吉田, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.8_595

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Summary:近年,気管支鏡の進歩は目覚しいものがある.ここでは,現在開発中のコンベックス走査式超音波気管支ファイバースコープ及びOCT (optical coherence tomography)の開発と将来について述べる.コンベックス走査式超音波気管支ファイバースコープは気管支鏡の先端にコンベックス走査式超音波プローブを取り付けた新しい気管支鏡である.常時Bモードとカラードプラモードで観察でき,気管支周囲のリンパ節と腫瘍の描出が可能で,カラードプラにより血管系との鑑別が可能である.さらに,本装置の2.2mm鉗子チャンネルを利用しReal-TimeのEBUSガイド下TBACも可能であり,リンパ節の局在診断や質的診断への応用が期待される.OCT (optical coherence tomography:光干渉断層法)は光計測分野の先端技術であり,空間分解能10μmの断層光イメージが得られ,その分解能は超音波診断装着より一桁以上精度が高い.近年内視鏡下で使用できるOCT用細径プローブの開発に伴い,呼吸器領域や消化器領域で臨床応用を目指し研究が進められている.OCTの高度な分解能を用いることにより,従来の内視鏡では発見困難な病変を認識し診断するとともにより正確な深達度診断が期待されている.将来的には,生検を行わなくてもOCT画像により組織学的診断が行える(optical biopsy)可能性を秘めている.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.8_595