頭蓋内悪性リンパ腫8例の検討

国立呉病院脳神経外科において過去10年間に経験した8例の頭蓋内悪性リンパ腫について検討を加えた. このうち7例は脳原発, 1例が転移性悪性リンパ腫であつた. 全例男性で, 年令は50~84才(平均62才)であつた. 初発症状は8例中4例が頭蓋内圧亢進症状で, 次いで痴呆, 片麻痺などであつた. 腫瘍の部位は労脳室周囲に最も多く, 他は大脳半球に局在していた. 手術は4例に施行し, 術後放射線治療を行い完全緩解が得られた. しかし本症の予後は不良で1例を除き全例3~31ヵ月で死亡している. 診断は困難でいずれも手術及び剖検によりなされた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 42; no. 11; pp. 1070 - 1074
Main Authors 山根, 哲実, 羽田, 良洋, 勇木, 清, 桐本, 孝次, 恩田, 純, 江本, 克也, 児玉, 安紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1988
国立医療学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.42.1070

Cover

More Information
Summary:国立呉病院脳神経外科において過去10年間に経験した8例の頭蓋内悪性リンパ腫について検討を加えた. このうち7例は脳原発, 1例が転移性悪性リンパ腫であつた. 全例男性で, 年令は50~84才(平均62才)であつた. 初発症状は8例中4例が頭蓋内圧亢進症状で, 次いで痴呆, 片麻痺などであつた. 腫瘍の部位は労脳室周囲に最も多く, 他は大脳半球に局在していた. 手術は4例に施行し, 術後放射線治療を行い完全緩解が得られた. しかし本症の予後は不良で1例を除き全例3~31ヵ月で死亡している. 診断は困難でいずれも手術及び剖検によりなされた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.42.1070