RCMを用いた保全合理化支援システムの検討

本論は, 主に水力土木構造物を対象とする保全方式を合理化するために, 信頼性重視保全 (RCM) を応用した保全合理化支援システムを構築することを目的とする. 一般に水力土木構造物は, 損傷時に公衆災害を招く危険性が高いため, これまで予防保全に基づく保全方式を採用し, 損傷する前に取替えることを前提としてきた. このため, 劣化特性の定量化に必要な損傷履歴に関するデータがほとんど蓄積されていない状況にある. 本論では, RCMの考え方を取り入れた定性分析と, 保全作業の履歴データを用いた定量分析とを組み合わせ, 実践的に保全方式の合理化を支援する方法論を提示する. 本手法を実在する洪水吐ラジ...

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Published in土木学会論文集 Vol. 2005; no. 784; pp. 784_109 - 784_124
Main Authors 齋藤, 潔, 朱牟田, 善治, 山本, 広祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2005
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ISSN0289-7806
1882-7187
DOI10.2208/jscej.2005.784_109

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Summary:本論は, 主に水力土木構造物を対象とする保全方式を合理化するために, 信頼性重視保全 (RCM) を応用した保全合理化支援システムを構築することを目的とする. 一般に水力土木構造物は, 損傷時に公衆災害を招く危険性が高いため, これまで予防保全に基づく保全方式を採用し, 損傷する前に取替えることを前提としてきた. このため, 劣化特性の定量化に必要な損傷履歴に関するデータがほとんど蓄積されていない状況にある. 本論では, RCMの考え方を取り入れた定性分析と, 保全作業の履歴データを用いた定量分析とを組み合わせ, 実践的に保全方式の合理化を支援する方法論を提示する. 本手法を実在する洪水吐ラジアルゲートに適用し, その有効性と課題について考察する.
ISSN:0289-7806
1882-7187
DOI:10.2208/jscej.2005.784_109