肺腺癌との関連が疑われる片側舞踏運動を呈した81歳女性例

症例は81歳女性.亜急性の経過で進行する右上下肢の舞踏運動を主訴に当科を受診した.舞踏運動を呈しうる高血糖,脳血管障害,膠原病,ハンチントン病等は除外した.傍腫瘍性舞踏病を疑い,全身腫瘍検索を行った結果,肺腺癌が発見されたため,根治的外科治療を行った.不随意運動は軽快したが,手術1年後の頭部MRIにおいて,初診時には認めなかった左優位両側尾状核,淡蒼球の異常信号が出現し,一部に造影効果を伴っていた.その後経時的に異常信号変化および造影効果は縮小した.成人の舞踏病の原因として,悪性腫瘍を念頭におく重要性を強く認識した....

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Published in臨床神経学 Vol. 58; no. 7; pp. 430 - 434
Main Authors 横田, 隆徳, 森, 容子, 市野瀬, 慶子, 小野, 大介, 渡邊, 睦房, 水谷, 真之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2018
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001128

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Summary:症例は81歳女性.亜急性の経過で進行する右上下肢の舞踏運動を主訴に当科を受診した.舞踏運動を呈しうる高血糖,脳血管障害,膠原病,ハンチントン病等は除外した.傍腫瘍性舞踏病を疑い,全身腫瘍検索を行った結果,肺腺癌が発見されたため,根治的外科治療を行った.不随意運動は軽快したが,手術1年後の頭部MRIにおいて,初診時には認めなかった左優位両側尾状核,淡蒼球の異常信号が出現し,一部に造影効果を伴っていた.その後経時的に異常信号変化および造影効果は縮小した.成人の舞踏病の原因として,悪性腫瘍を念頭におく重要性を強く認識した.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001128