脳生検で診断し得た多発脳出血を伴った血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例

症例は53歳女性,左上肢の間代性痙攣を認め入院した.頭部MRIで大脳に複数のFLAIR高信号,磁化率強調画像(susceptibility-weighted imaging; SWI)で多発する微小な低信号病変が見られ,抗痙攣薬の内服を開始した.しかし痙攣発作が再発し,頭部MRIで大脳にさらにSWI低信号の病変が新規に出現したため,脳生検し,出血を伴った血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma; IVLBCL)と診断した.IVLBCLは典型的な多発梗塞性病変だけでなく出血性病変でもIVLBCLを鑑別疾患の一つとして列挙する必要がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 60; no. 3; pp. 206 - 212
Main Authors 鈴木, 博義, 矢浦, 一磨, 中村, 貴彬, 渡辺, 源也, 鈴木, 靖士, 突田, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2020
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001373

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Summary:症例は53歳女性,左上肢の間代性痙攣を認め入院した.頭部MRIで大脳に複数のFLAIR高信号,磁化率強調画像(susceptibility-weighted imaging; SWI)で多発する微小な低信号病変が見られ,抗痙攣薬の内服を開始した.しかし痙攣発作が再発し,頭部MRIで大脳にさらにSWI低信号の病変が新規に出現したため,脳生検し,出血を伴った血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma; IVLBCL)と診断した.IVLBCLは典型的な多発梗塞性病変だけでなく出血性病変でもIVLBCLを鑑別疾患の一つとして列挙する必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001373