健康維持増進のための住環境の役割

高齢化が進行する昨今においては、病院での治療に依存することなく、疾病予防・健康維持増進に努めることが重要である。そのためには、病気にならず、怪我をせず、健康な体をつくり、健康を維持する必要があり、生活基盤である住環境が大きな役割を担っている。しかし、体が不自由であったり、経済的な理由などから住環境を良好に保つことが困難な場合もあり、介護福祉士等によるサポートが必要な場合もある。 そこで、高齢化が進行する名古屋市の某団地を対象として、健康という側面からの住環境の実態調査を実施した。この調査より明らかになったことは、住宅の健康環境性能は、建物の築年数、居住者の年齢、居住者の経済的なゆとりとの関係性...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 53; no. Supplement; p. S309
Main Author 須藤, 美音
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2015
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.53.S309

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Summary:高齢化が進行する昨今においては、病院での治療に依存することなく、疾病予防・健康維持増進に努めることが重要である。そのためには、病気にならず、怪我をせず、健康な体をつくり、健康を維持する必要があり、生活基盤である住環境が大きな役割を担っている。しかし、体が不自由であったり、経済的な理由などから住環境を良好に保つことが困難な場合もあり、介護福祉士等によるサポートが必要な場合もある。 そこで、高齢化が進行する名古屋市の某団地を対象として、健康という側面からの住環境の実態調査を実施した。この調査より明らかになったことは、住宅の健康環境性能は、建物の築年数、居住者の年齢、居住者の経済的なゆとりとの関係性が強い傾向が見られた。また、住宅の健康環境性能と居住者の健康性との関係も確認された。この調査結果に基づき、生活基盤である住環境整備の重要性や、環境改善のための建物運用上の方策について述べる。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.53.S309