髄液アスペルギルス抗原価を指標として治療をおこない,脳梗塞を合併したにもかかわらず長期生存がえられた中枢神経アスペルギルス症の1例

症例は78歳女性,糖尿病治療中.右眼窩先端症候群を呈した後,右内頸動脈閉塞による脳梗塞を発症した.頭部画像で右後篩骨洞から眼窩先端部・海綿静脈洞にかけて腫瘤をみとめ,副鼻腔手術病理所見より侵襲性副鼻腔アスペルギルス症からの中枢神経アスペルギルス症,右内頸動脈閉塞症と診断した.髄液アスペルギルス抗原価を指標にボリコナゾール療法を継続し,発症から約2年再発なく長期生存がえられた.脳卒中を合併した中枢神経アスペルギルス症は致死率が高く予後不良例の報告が多い.髄液アスペルギルス抗原は治療指標として有用な可能性がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 55; no. 7; pp. 472 - 477
Main Authors 岩佐, 直毅, 北村, 絵未, 花田, 有紀子, 岡崎, 知子, 柳原, 武彦, 水谷, 哲, 白石, 翔一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2015
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-000668

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Summary:症例は78歳女性,糖尿病治療中.右眼窩先端症候群を呈した後,右内頸動脈閉塞による脳梗塞を発症した.頭部画像で右後篩骨洞から眼窩先端部・海綿静脈洞にかけて腫瘤をみとめ,副鼻腔手術病理所見より侵襲性副鼻腔アスペルギルス症からの中枢神経アスペルギルス症,右内頸動脈閉塞症と診断した.髄液アスペルギルス抗原価を指標にボリコナゾール療法を継続し,発症から約2年再発なく長期生存がえられた.脳卒中を合併した中枢神経アスペルギルス症は致死率が高く予後不良例の報告が多い.髄液アスペルギルス抗原は治療指標として有用な可能性がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-000668